イメージベース構造解析ソフトウェア
VOXELCON
事例3 リバースエンジニアリングによるクランクシャフトの応力解析
■概要
製品(現物)の形状を測定して直接解析に用いる、リバースエンジニアリングの例をご紹介します。
一般的に、X線CTスキャン画像から解析用のモデルを作成するには、抽出したサーフェスからCADモデルを起こすという、非常に手間のかかる作業を要します。
しかし、VOXELCONでは、X線CTスキャナの画像データから直接サーフェスモデルを作成し、サーフェスモデル上にダイレクトに境界条件を付与してそのままボクセル解析ができますので、リバースエンジニアリングにかかる工数を大幅に削減することができます。
ここでは、人工的に作成した断層画像をX線CTスキャナの断層画像に見立て、画像からモデルを作成して静応力解析を行う例をご紹介します。
■解析モデル
解析対象とCT画像
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解析対象:クランクシャフト
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画像サイズ:512×512
画像枚数 :960枚 .
CT画像
断層画像をVOXELCONに取り込みます。
VOXELCONでは、スキャンの向きと異なる断面での確認・修正も可能です。
※ 本例では、クランクシャフトの簡易モデルから人工的に断層画像を作成して使用しています。
実際のCT画像には、ノイズや輝度のばらつきがあります。
STLモデル作成
CT画像の輝度値分布(下図参照)を参考にしながら物体と空間の境界となる輝度値を指定して、CT画像から等値面のサーフェスモデル(STLモデル)を作成します。
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輝度値分布図
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等値面STLモデル
必要に応じて、CT撮像の際の対象物の姿勢のずれを補正します。
解析モデル作成
作成した等値面STLモデルに、直接境界条件を付与することができます。
境界条件を付与したSTLモデルは、自動的にボクセル分割されて解析されます。ボクセル分割の精度は任意に指定できます。
■解析結果
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変形図(x 200)
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ミーゼス相当応力
計算機および計算時間
- 計算機:Intel(R) Core2 2.4GHz×2
(並列実行) - 解析時間:約46分
- 使用メモリ:243 [MB]
■考察
一般的に非常に多くの手間を要するリバースエンジニアリングですが、CT撮像とVOXELCONを組合わせて利用することで、本例のように 非常に少ない手間でリバースエンジニアリングが可能です。
より高い精度でリバースエンジニアリングを行うためには、CT撮像の精度がカギとなります。
当然ながら、鮮明でノイズの少ないCT画像を元に処理を行った方が、結果の精度も高くなります。
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