イメージベース構造解析ソフトウェア
VOXELCON
事例9 モデリング機能を利用した複合材料の物性評価
■概要
VOXELCONの柔軟なモデリング機能とスクリプト機能を利用して、与えた基本形状の配置や拡大率などをランダムにばらつかせて、モデルを生成することができます。
ここでは、複合材料のミクロモデルをランダムに生成し、均質化解析によりその物性を評価する例をご紹介します。
■解析モデル(ミクロモデル)
ランダムモデル生成
下図のような介在物の基本形状を準備し、VOXELCONのスクリプト機能を利用して、変形、姿勢変更、配置変更をランダムに行います。
予め発生させた乱数を使ってスクリプトを記述し、姿勢・配置の異なる介在物モデルを繰り返し自動生成させます。
◎作成されたミクロモデル例(1,000,000ボクセル)
■ パターンA [ α:4.0~8.0,β:正規分布(σ=18°),γ:0~360°,介在物20個 ]
■ パターンB [ α:4.0~8.0,β:正規分布(σ=30°),γ:0~360°,介在物20個 ]
■ パターンC [ α:4.0~8.0,β:正規分布(σ=18°),γ:0~360°,介在物40個 ]
■ パターンD [ α:4.0~8.0,β:正規分布(σ=18°),γ:0~360°,介在物60個 ]
※ 各パターン10ケース作成。
物性値
ヤング率 | ポアソン比 | |
---|---|---|
マトリックス | E0 | 0.35 |
介在物 | 30E0 | 0.30 |
■均質化解析結果
各パターン結果比較
◎介在物の配向性の違いによる等価物性値の違い
配向性が強いパターンAの方が、X方向のヤング率が強めに現れている。
◎介在物の個数の違いによる等価物性値の違い
X方向のヤング率は、他の2方向に比べて介在物の個数の増加に対して敏感である。
■考察
このように、介在物の形状や姿勢のパラメータなどを変更することにより、さまざまなパターンの疑似モデルを作成して、等価物性値を得ることができます。
また、ここでご紹介した均質化解析だけでなく、通常の応力解析や定常熱伝導解析でも、同様の手法でさまざまなケーススタディを行うことができます。
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