第7話 くいんと交流会のお知らせなど
くいんと交流会のお知らせ
今回は弊社イベントのお知らせとなります。
弊社では、弊社製品ユーザーや弊社製品にご興味のある方々を対象に「くいんと交流会」というイベントを毎年開催しております。
本イベントでは、講師の先生を招いての基調講演をはじめ、弊社製品をご利用いただいているユーザーの方々からの活用事例講演、そして弊社からは最新の開発動向や技術情報の紹介をおこなっております。 ここ数年は、感染症の影響でオンラインのみで開催しておりましたが、今年は初めてオフラインとオンラインのハイブリッドで開催いたします。
過去の開催時の写真と共に、その様子を少し紹介したいと思います。参加されたことのない方のご参考に、少しでもなれば幸いです。
こちらの写真は講演の様子です。
感染症の影響でオンライン開催になる前は会場での開催のみで、毎年多くの方にご来場いただいていました。
休憩時間の様子を映した写真です。
ロビーでは情報交換の他、弊社製品や講演に関連する展示などを行っております。
こちらは閉会後に開催された懇親会の写真です。私もこの場で様々なお客様の意見を伺い、製品開発の参考にさせていただきました。
くいんと交流会2024
今年は9月20日(金)に東京駅にほど近いオンサイト会場とオンラインにてハイブリッド開催いたします。 下記バナーより詳細をご覧いただき、是非ご参加をご検討いただければ幸いです。
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TS Studio の新機能紹介
さて、折角読んでいただいた方に弊社のイベント紹介だけというのはあまりにも寂しい話なので、余談となりますが、現在開発中の TS Studio 新機能を少し紹介したいと思います。
肉厚・板厚コンター
OPTISHAPE-TS の形状最適化には、ソリッドの肉厚を制御する機能がいくつかあります。
非常に便利な機能で多くのお客様にご利用いただいている機能である一方、ポスト側の TS Studio にはその肉厚を確認する機能がないという問題点がありました。
現在開発中の新機能では、ソリッドモデルの肉厚をコンター図として確認することができるようになります。
同様にシェル要素の板厚もコンター図で確認することができるようになります。 特に形状最適化の板厚最適化を利用した際には便利な機能です。
本機能は以前から社内からもお客様からも度々要望をいただいていた機能なのですが、ついに実現の目処が立ちました。 機能を実現する上でデータが欠落している場所にはコンター図を表示しないという大幅な内部の仕様変更が必要不可欠であり、機能の実現までに時間がかかってしまいました。
シェル・ソリッドのプロパティ編集機能
続いて紹介するのは、「シェル・ソリッド要素のプロパティ変更」機能です。 現在でも要素のプロパティ変更を行うことは可能ですが、この機能はプロパティを使用した領域分割に特化した機能となります。
OPTISHAPE-TS で最適化を行う際は、設計領域や評価領域、形状変動制限の対象領域など、各領域をそれぞれプロパティで指定します。 そのため、条件が複雑な最適化になればなるほど、とにかく領域を分割する機会が多くなります。 その際、それぞれのプロパティを作成して、要素のプロパティを編集するという作業が1回だけならまだしも、何回も連続すると手間のかかる作業でした。
この手間のかかる作業を簡単にするために今回開発したのがこの機能です。
使い方はシンプルで、単に要素を選択するだけです。
新しいプロパティを必要数作成し、要素のプロパティを変更するという作業を内部で一括処理します。
選択した要素の中に複数のプロパティが含まれている場合には、それぞれに対して新しいプロパティを作成します。 例えば、上図のように選択した範囲に5個のプロパティが含まれている場合は、それぞれに対して新しいプロパティを作成して要素への割り当てを行い、最終的には10個のプロパティに分割されます。
実はこちらの機能はお客様からの要望という訳ではなく、単に私が欲しくて作った機能です。 良かれと思って作った機能というのは 第5回 の最後に紹介した「座標軸の交換(謎機能)」のように、誰にも使われない謎機能となることも多いですが、この機能はそうならないことを祈っております。
右クリックメニューからプロパティのリナンバ
最適化対象のモデルが複雑になってくると、プロパティというのは得てして増えていくものです。 そしてプロパティが増えてくると、今見ている箇所のプロパティの編集や色変更という単純な操作でさえ少し煩雑になってきます。これはそんな時のための新機能です。
まずモデルを右クリックしたときに表示されるメニューから編集やリナンバに簡単にアクセスする機能を用意しました。 現在は表示、色変更、半透明表示などの表示に関連する機能だけでしたが、そこに少し増えたイメージです。
そしてモデルを右クリックした際には、連動してツリーウィンドウの項目が選択&移動されるようにもなります。 プロパティが多くツリーの項目がながーくなった際に便利な仕様変更となっております。 言葉と画像だと少し伝わりにくいですので、是非バージョンアップ後にお試しいただければと思います。
これらの機能はお客様からの要望により開発した機能となります。
最後に
くいんと交流会を最後にオフライン開催したのは2019年。 あれから5年、Webでのセミナーや会議もあたり前の光景となり、例えば製品の体験、教育セミナーなどは弊社研修室での開催のほうが珍しくなりつつあります。
また、余談として紹介した TS Studio の開発中機能については、他にも境界条件のコピー、新しい距離計測機能、選択機能の改良など紹介したい機能が沢山あります。 くいんと交流会をはじめ、今後機会をみてそれらの機能をご紹介できればと思っております。
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2024年8月5日
株式会社くいんと 技術開発部
OPTISHAPE-TS プロダクトリーダー
島田 誠
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