構造最適設計ソフトウェア
OPTISHAPE-TS
事例3 製造要件を考慮したトポロジー最適化
■概要
トポロジー最適化 (位相最適化)は、材料の要/不要(部材レイアウト)を決定する方法で、ある重量以下で剛性が最大になる構造を求めるなど、軽量で高剛性な製品設計へ貢献しています。
トポロジー最適化により、初期構造に対して大幅な構造変更が可能な反面、製造が困難な結果や、構造が複雑で製造コストが高くなる結果が得られることがあります。
そのような状況を回避するために、OPTISHAPE-TSのトポロジー最適化ではトポロジー密度変動制限機能が利用でき、製造要件を満足させながら最適化を行うことができます。
... トポロジー密度変動制限機能?
ここでは、ある方向に対して等しい断面を持たせる『等断面』などのトポロジー密度変動制限機能をご紹介します。
■トポロジー密度変動制限機能
まずは最も簡単な例として、片持ち梁[図1-a]の例をご紹介します。
[図1-b]は、初期の50%の重量で剛性が最大になる構造 を、通常のトポロジー最適化で求めた結果です。複雑な形状になっていることがわかります。
一方[図1-c]は、z方向に対して等断面になるように制約を与えた結果です。
よく知られた I 型梁となっていることがわかります。
[図1-a] |
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[図1-b] 製造要件考慮なし |
[図1-c] 製造要件考慮あり |
このように、製造要件を考慮することで、力学的に妥当で、かつ製造が容易な構造を得ることができます。 なお、この機能は本例のようにモデル全体だけでなく、指定した部分のみ適用することも可能です。
製造要件はシェル要素、ソリッド要素であれば、いずれの要素に対しても考慮できます。
また、製造要件を考慮する方向は直線である必要はありません。
ここでは[図2-a]のCアームに対して、押し出し材で製造できるよう円弧に沿って等断面を維持し、かつ剛性が高い構造を求めます。
[図2-a]
[図2-b]は製造要件の考慮なし、[図2-c]は製造要件を考慮した結果です。
製造要件を考慮することで、所望の構造が得られていることがわかります。
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[図2-b] 製造要件考慮なし
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[図2-c] 製造要件考慮あり
本例では円弧を対象にしていますが、任意の曲線に沿って製造要件が考慮できます。
意匠性や重量バランスの制約から、ある面に対して対称な構造が要求されることがあります。
ここでは[図3-a]のモデルに対して対称制約を与えた例をご紹介します。
製造要件は[図3-a]のような非対称の有限要素メッシュ、形状に対しても考慮可能です。
[図3-a]
[図3-b]は製造要件の考慮なし、[図3-c]は製造要件を考慮した結果です。
こちらも製造要件を考慮することで、所望の構造が得られていることがわかります。
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[図3-b] 製造要件考慮なし
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[図3-c] 製造要件考慮あり
■考察
このようにOPTISHAPE-TSでは、様々な製造要件を考慮したトポロジー最適化が可能です。
これにより、軽量、高剛性、かつ製造が容易な構造を得ることができ、設計の効率化、さらにはコスト低減にも大きく貢献します。
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