構造最適設計ソフトウェア
OPTISHAPE-TS
ユーザー事例:株式会社アシックス 様
ランニングシューズの最適設計
■概要
安全にランニングを楽しむことを目的としたランニングシューズには、走行中の足関節への負荷の低減(安定性)、着地衝撃の緩衝、重量の低減(軽量性)などが要求されます。
単純に安定性を高めようとシューズの剛性を高めると重量が増加するなど、それらの機能は互いに相反します。
これらを同時に満足すべく、動作分析を基に、走行中のシューズ踵部のモデルを作成し、OPTISHAPE-TSを用いることで位相最適化(トポロジー最適化)を行い、実商品開発につなげた事例について報告します。
■解析モデル
ヒールカウンターとその挿入位置
境界条件
- 荷重条件:ヒールカウンター面に対して面外方向圧力
- 拘束条件:ソール底面を全面拘束
■最適化条件
ヒールカウンターに求められる機能
- 目的関数:平均コンプライアンス最小化(=剛性最大化)
- 制約関数:設計領域の体積制約
■結果
計算結果を基にヒールカウンターを設計
体積:初期形状の35%以下
■考察
ランニングシューズに求められている機能である、安定性や軽量性は互いに相反しています。
これまでは、それぞれ独立した設計を行っていましたが、位相最適化手法(トポロジー最適化手法)を用いることで、それらの相反する機能を同時に満足できるヒールカウンター形状を導出することができました。
走行実験より、算出した形状においても十分な安定性を有することを確認しています。
完成したシューズ「GEL-KINSEI3」
※ この事例は【くいんと交流会2012】にて事例発表いただいた内容の一部をまとめたものです。
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