指定体積に合うような形状変形や自由曲面編集の強化など
数多くの改良を施した「S-Generator 2023」リリース

2023年4月25日

構造最適化結果からのCADモデル生成ソフトウェア S-Generator の新バージョン「S-Generator 2023」をリリースいたしました。
本バージョンでは、三角形モデルが指定体積になるように部分変形する機能の追加、三次元測定で生成された大規模STLファイルの読み込み高速化や、三角形モデルから計算された自由曲面部分の編集機能強化など、様々な改良が行われました。

新機能の詳細

三角形モデルが指定した体積となるように部分変形

構造最適化の結果を編集した際に、最適化で設定した制約体積と、編集後の三角形モデルの体積が異なることがあります。その場合、この機能を使って三角形モデルの一部を変形させることで、最適化時に設定した制約体積に調整することができます。

◎指定体積になるように変形した例

左の図が元の三角形モデルで、ピンク色の部分を変形の対象とします。この機能で、三角形モデル全体の体積を1.2倍に指定して変形した結果が中央の図です。そこから、既存の機能で体積を保持したままスムージングを行うことで、形状を滑らかにした結果が右の図です。元のモデルの体積の1.2倍を保持したままスムージングされています。

指定体積になるように変形しスムージングを行ったモデルの比較

大規模STLファイルの読み込み高速化

三次元測定器で得られるような、大規模なSTLファイルの読み込みが高速化されました。
従来からある読み込み機能に対し、エラー修正を簡略化することで高速しています。そのため、STLファイルがバイナリ形式の場合や形状に穴などの欠損がある場合に、より高速化されます。また、読み込み時に直接三角形数削減を行うことができ、大規模モデルを一度読み込んでから操作画面上で応答の遅いモデルに対して削減操作をする手間と時間が省けます。

◎読み込み速度の比較

下の表は、４つのSTLファイルについて、既存の機能と新しい機能での読み込み速度を比較したものです。バイナリ形式で形状に穴などの欠損があるSTLファイルでは、相当な速度向上が見込めます。

モデル番号	三角形数	STLファイル形式	読み込み時間 (従来)	読み込み時間 (新機能)	高速化の倍率
1	約250万	テキスト	143秒	43秒	3.3倍
2	約519万	テキスト	624秒	107秒	5.8倍
3	約391万	バイナリ	417秒	13秒	32倍
4	約1777万	バイナリ	606秒	56秒	10倍